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朝倉かすみ著『にぎやかな落日』を読了しました。

朝倉かすみさんの『にぎやかな落日』を読み終わりました。

雑誌のコラムで紹介されていて、気になった本でした。朝倉かすみさんといえば、何年も前に『田村はまだか』を読み、その後いくつかの作品を読んだ作家さんです。しかし年数がたってしまったので、それらの内容は、若干うろ覚えです。

『にぎやかな落日』、手に取ってよかったです。とても面白く読むことができました。この本の舞台は北海道。知っている地名がでてきます。

帯には、「可愛くて愛らしい、揺らぐ老女の胸の裡」と書かれていますが、そのとおり、主人公のおもちさんが、可愛くて愛らしいのです。

忘れたと認めれば忘れてしまったことになる、とか、考えていてもうまく考えられなくてイライラしてくる、そんな曖昧なところもあるおもちさんの気持ちに、少し共感するところもありました。年齢を重ねれば、もっと共感するのかもしれないです。気持ちは決してバランスがとれた状態でいるわけじゃない、ありのままのぐちゃぐちゃさとか、共感できるなぁ・・と感じました。

小説は、いろんな年代や立場の視点を想像させてくれるすてきな存在です。「こんな人いるな」「あの人の気持ちはこんな気持ちかな」「わたしもそう思った」「わたしが思っていたことはこうだった。うまく言葉で表してくれている」など、フィクションという作り話を読みながらも、現実の自分に落とし込むことができます。

この作品について、著者のインタビューを拝見しました。著作のお母さまがモデルになっているようです。たしかに作品に出てくる娘さんは物書きのお仕事でした。おもちさんのお茶目なところとか、怒りっぽいところとか、考えてたら疲れちゃうところとか、描写がリアルだな〜と感じたのは、著者の方の経験からかと納得しました。

自分の時間をすべてあげることはできない。きちんと線引きはしつつも、できるかぎりのことはする。それをきちんと伝えられる親子関係、いいなあと思いました。家族なり友人なり、他人との適切な距離、関わり。

「老い」という生きていく上で関わっていくであろうテーマ。自分も周りも老いていく。辛いこと大変なこともありますが、この物語は明るいおちゃめな登場人物のおかげで、楽しい雰囲気で読むことができました。『にぎやかな落日』素敵なタイトルだなと思いました。「生きていく」ってこんなかんじなのかな。

おわりに

ブログに本の感想を書くのって、むずかしいなあ!

感じた魅力をどうやって表現したらいいのか。間違った伝わり方はしないかどうか?

文章をうまくかけるようになりたい。なりたいから書くぞ。

2021/09に読んだ本をまとめました

9月には、『にぎやかな落日』の他にもいろいろ本を読みました!詳細はこちらの記事にかきました。

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