原田ひ香さんの短編集『母親からの小包はなぜこんなにダサいのか』を再読しています。
再読しながら、お話の内容や好きなところをメモしています。
いろいろな本を読んでも、内容を忘れてしまうことが多いので、近年は同じ本を繰り返し読みこんでいきたいなぁと思っています。また、こうしてアウトプットすることで記憶につなげていきたいです。
ネタバレありのあらすじでは、結末などにも触れるので、未読で知りたくない方はご注意ください。
第1話 『上京物語』
ざっくりあらすじ
舞台は、東京。短大進学を機に上京してくる岩手出身の女の子のおはなし。
登場人物
- 吉川美羽(よしかわ みう)
- お母さん 小百合(さゆり)
- お兄ちゃん 章(あきら)
- 美恵子(みえこ) …母の友だち、東京のタワーマンションに住む
- 町田(まちだ)さん …不動産会社の中年女性社員
- 店長 …リサイクルショップの店長。金髪。
- 社長 …不動産会社の社長
キーアイテムなど
- 南部せんべい
- がんづき(茶色い蒸しパン)
- ビスケットの天ぷら
- かーさんケット
ネタバレありのあらすじ
美羽は、この春から上京する。東京の女子短大に進学するのだ。
岩手出身の彼女は、上京するのに母親の猛反対を受けた。母は、地元岩手第一主義。何度も泣かれ反対されたが、東京で働く兄の協力もあり、なんとか上京することを許された。
美羽は、岩手が大嫌いだった。
美羽は、親切な不動産やさんや、リサイクルショップにも恵まれ、東京で暮らすことができている。しかし肝心のキャンパス生活はいまいち・・・。友だちが、できないのだ。
東京にいる母の友人、美恵子から、入学祝にブランドバッグをもらったことをきっかけに、美羽と母は電話で口論になる。
電話の後、部屋のインターホンがなる。母からの荷物が届いた。中には、岩手名産のおやつなど。
その荷物をみて、母との記憶を思い出し、すこし心がおだやかになる。
この荷物のおやつがきっかけで、同郷の学生と話をするきっかけもできた。
彼女の東京での生活は、はじまったばかり。
印象的な部分の引用
いい音だな、と思った。
それは自由の音だった。
p.19
美羽が、自分がこれから暮らす部屋の鍵を開けた場面。鍵を開ける音が「自由の音」という表現がとてもすてきな表現だと思いました。
第2話 『ママはキャリアウーマン』
ざっくりあらすじ
専業主婦だいすきな娘と、娘は仕事はしたいものだと思っている母とのすれ違いと、和解。北海道が舞台。北海道に馴染んでゆく主人公夫妻にもほっこり。
登場人物
- 新井莉奈(あらいりな)
- 松永敬子(まつながけいこ)…莉奈の母
- 大樹 …莉奈の夫
キーアイテムなど
- 甘納豆入りのお赤飯
- いももち
第3話 『疑似家族』
ざっくりあらすじ
愛華は、同棲している彼に秘密にしていることがある。愛華の田舎の母から届く荷物は、実は…。
登場人物
- 石井愛華(いしいあいか)…群馬出身。メルカリの名前はLOVE27。
- 野々村幸多(ののむらこうた)…愛華と同棲している彼。
- 都築(つづき)めぐみ…ありんこ農場を営む。メルカリの名前は群馬のありんこ。
- 楓(かえで)…愛華の親友。東北出身。奨学金を借りていた。
- 喜楽の女将…二人が知り合うきっかけ
キーアイテムなど
- 紅はるか(サツマイモ)
- 小料理屋「喜楽(きらく)」
ネタバレありのあらすじ
愛華は、彼に秘密にしていることがある。田舎の母から届いている段ボール一杯の野菜。それは実は、母からの荷物ではなく、メルカリで購入した野菜なのだ。
はじめて出会ったときに、一度会話をするだけの関係だと思い、ついてしまったひとつの嘘。交際するようになった今、その嘘をずっと通し続けている。
愛華には、野菜を送ってくれるような親はいない。彼女は虐待を受けて育った。親が今どこにいるかもわからない。
彼にプロポーズをされ、うれしい気持ちと、親に挨拶をしたいという彼の申し出に絶望する気持ち。
彼女は、通販をしていく中で親しくなった都築めぐみさんに、事情を話し、自分の親だと嘘をついてくれないかとお願いをする。
電話にでてくれた都築さんは言う。「これが最後のチャンスだ」と。
彼女は彼に本当のことを話す決心をした。
第4話 『お母さんの小包、お作りします』
ざっくりあらすじ
東京で働いていたさとみが、急に地元へ帰ってきた。
登場人物
- 都築(つづき)さとみ
- 都築めぐみ
- 父
- 都築隆(たかし)…弟
- 駒田(こまだ)…テレビディレクター
- 亜美(あみ)ちゃん…さとみの小学校のときの友だち。美容師
ネタバレありのあらすじ
上京して働いていたさとみだが、職場で不倫関係を結び、その結果、仕事も交際相手も失った。
実家に帰り、実家の農園、ありんこ農園の手伝いをする。
申し込みフォームをつくるなど、通販事業を大きくしようと取り組む。
さとみが提案した「お母さんのあったか小包」は好評で、テレビ出演でのインタビューを受けることになるが、さとみのある一言がきっかけで、トラブルがおきてしまう。
母は、さとみがこの地元で無理をしていると感じると伝える。
「自分の居場所は、自分で探さなければならない。」
さとみは東京へ再び、向かうことにした。東京で、母からの小包を受け取ろう。
第5話 『北の国から』
ざっくりあらすじ
父が亡くなったいま、毎年昆布を送ってくれた人の正体がわからず、気になる。
登場人物
- 内藤拓也(ないとうたくや)
- 内藤慎也(しんや)…拓也の父親。脳内出血で倒れて亡くなった。
- 槇恵子(まきけいこ)…昆布を送ってくれる人。電話をかけてもでない。
- 奈瑞菜(なずな)…拓也の恋人
- 藤井(ふじい)さん…拓也の実家の隣人
第6話 『最後の小包』
ざっくりあらすじ
インフルエンザの母親の病状が急変したと連絡を受け、弓香は病院へと向かう。弓香は母の再婚相手のまさおが大嫌いだ。
登場人物
- 後藤弓香(ごとうゆみか)
- 後藤優子(ゆうこ)…弓香のお母さん。インフルエンザにかかる。
- まさお…優子の再婚相手。正夫。
- 池知智治(いけちともはる)…弓香の元カレ
コメント