『母親からの小包はなぜこんなにダサいのか』を読了しました。
この本は、タイトルと表紙がいいなと思って、ジャケ買いしました。
タイトルが、ユニークで、クスっとさせられました。
このタイトルで、いったいどんなお話なんだろう?と興味も湧きました。
読み終わって、とても面白かったです!直感を信じて、ジャケ買いしてよかった~。(わたしの性格は優柔不断で、普段はひとつの買い物に時間をかけることが多いです。だから、今回のようにパッと買うことが珍しいのですが、満足できてよかったです。今直観力のあるひとになりたい!)
この本は、短編集です。物語ごとに、母親からの小包が、さまざまなかたちで登場します。
お話の中には、北海道がちらほらでてきました!北海道で生活している自分としてはうれしい気持ちになり、より楽しむことができました。
新刊を読むと感じること 旬なものを旬な時期に
小説の中で、メルカリがでてくるお話がありました。小説の中で、「メルカリ」という単語と出会ったのは初めてでしたので、新鮮でした。最近の小説を読むと、新しいライフスタイルが、物語をつくる材料になっていて、小説は生ものだな~と感じました。
他に、同様なことを感じさせてくれて作品には、『推し、燃ゆ。』のインスタライブの登場、『ほろ酔い読書』のオンライン飲み会の開催などがあります。
お話の鍵になるものが時代に合わせて変わっていく、新しいものを新しいときに、旬の小説を旬の時期に楽しむかんじが好きです。新鮮なきもちになります。
短編集としての魅力
6つの短編が収録されています。それぞれのお話は、舞台も登場人物もバラバラですが、「小包」というテーマで作品が描かれています。
わたしは最近、短編だけど、全体がつながっている作品を連続で読んできたので、バラバラな短編がが久しぶりで、この感じ、ラフに読むことができていいな!と思いました。
人物や舞台で全体がつながっている作品も、もちろん良いのですが、この作品は、バラバラでありながらも、「小包」というテーマで、本1冊の世界を魅力的に構成しているところがよかったです。伏線とか、難しいことを考えずに、1つ1つの作品を楽しめます。
それぞれのお話がバラエティーに富んでいるので、「あまり本を読まないけど、何かを読みたいなぁ」と思っている方にもオススメできる本だなぁと感じました。
すこーし詳細な感想
感想を書きます。具体的な内容を書こうというわけではないですが、それでも未読の方には、ネタバレにつながってしまうかもしれないので、興味のある方だけどうぞです。
基本的にはネタバレのないように書くつもりで、自分が思い出せるくらいのぼんやりとした表現になっていると思います。
第三話 疑似家族
メルカリという単語がでてきたことと、登場するタイミングに、にやりとさせられました。面白い。「え!」と思ったけど、事情もわかって、ハラハラ・・・。
終わりが、ここで終わるんだ~と、読んでるときに、びっくりしました。次のページ読む気満々でめくったら終わっていたので、「ほわあ!(おわった・・・!)」と、声に出して驚きました。たしかに、ここで終わっても問題ない、そうだよね、終わらせ方上手だー!と感嘆しました。
第四話 お母さんの小包、お作りします
唯一、ほかの作品とつながりがあるお話。全部の話がそれとなくつながっているわけではなくて、ここだけつながってるのが、「必要性」や「無理のなさ」を感じて、心地よかったです。
第三話のその後も、それとなくわかるので、よかったです。
第六話 最後の小包
第六話の、『最後の小包』では、冒頭から、ちょっと不穏な雰囲気が漂っていて、(おや?最後のお話なのに、ちょっと暗い雰囲気になるのかな?最後はほっこりがよかったな~・・)と心配したのですが、最後まで読んだら、すごく好きなお話になりました。泣いてしまった場面もありました。お話の展開にのめりこんでしまい、小包が登場したとき、「あ、この本のタイトル(テーマ)のこと忘れてた!」と思いました。そして第六話のタイトルを思い出して、物語の内容としての最後の小包ではありますが、この本で読めるお話も最後かあ・・・と、この本が終わってしまう寂しさという、物語の中の意味と、本の構成の中の意味でふたつの意味を感じ、こんな風に思わせてくれる構成が素敵だなあと思いました。
おおげさな言い方になるかもですが、今までに読んだことのない物語だったなぁと感じました。お話の展開、主人公の行動の描写に、引き込まれ、最後には温かくまとまる。
こう感じたのは、原田ひ香さんの、人物の描き方のバランスが素敵だからかなぁと感じました。
別の記事でも、この本について振り返っています。
原田ひ香さんの他の作品について
原田ひ香さんの本を購入したのは初めてだったのですが、最近読んだ『ほろよい読書』という文庫の中に、原田ひ香さんの作品が1つ収録されていました。そちらも面白かったです。(いろんな作家さんの「お酒」をテーマにした短編が読める、すてきな文庫でした!)
他の作品では、『三千円の使い方』という作品が気になっています。何度か見かけたことはあったのですが、読めておらずでした。読みたい本リストに追加しておこうと思います!
後日追記 読みました!
おわりに
以上、本の感想でした。
ブログの記事を書くたびに、文章って難しいなぁと感じます。
本の感想を書くのって、難しいです。
まどろっこしい表現になってしまったり・・。
たくさん書くことで、言葉の幅が広がっていって、伝わりやすくなればいいなぁと思います。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
【追記】表紙について
そういえば、表紙にはぶどう(マスカット?)が描かれていたので、いつ登場するのかな~と思っていましたが、とくにお話には関係なかったのですね。(わたしが気づいていないとかでなければ・・)
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