Youtubeも更新中

『水たまりで息をする』を再読しました。

高瀬 隼子さんの『水たまりで息をする』を再読しました。2021年7月に集英社から発売された小説です。

はじめて読んだ際に、読了するのにかかった時間は、2時間40分ほどでした。あまり厚さのない本なので、集中すれば一気に読めます。今回、再読するときは、ちょこちょこ読みをしたので時間は図りませんでした。

登場人物や物語の構成に触れてみます。

登場人物

衣津実(いつみ)・・・事務の仕事をしている。田舎生まれ。

研志・・・「風呂には、入らないことにした」。営業の仕事をしている。東京育ち。

台風ちゃん・・・ 衣津実が子どもの時に水たまりから拾って、実家で飼っていた魚の名前。

義母・・・ 研志の母親。 研志たちの家から、電車で20分ほどの距離の場所に住んでいる。研志の会社から電話を受け、 研志のようすを知ることとなる。働いている。

衣津実の母・・・ 衣津実が産まれてから働いたことはない。

衣津実の父・・・交通事故で亡くなった。たくさんの新聞を取っている。

物語の構成

3つの章に分かれている。

  1. 風呂
  2. 雨(P31~)
  3. 川(P115~)

1.風呂

衣津実は、変化しないバスタオルを見て、夫がここ数日、お風呂に入っていないことに気づく。

夫は、水がカルキくさいと言って、お風呂に入ることをやめた。

彼がお風呂にはいっていないことは、だんだん見た目や匂いにも、わかるようになっていく。

2.雨

夫は、雨の水なら大丈夫なようだ。

お風呂に入らないかわりに、雨の日に、傘をささずに、びちゃびちゃに水を浴びる。

ここは東京。知らないふり、気づかないふりが上手な人たちの住む場所。

田舎とは違い、噂するご近所さんもいない。

3.川

田舎で暮らすことにしたふたり。

その結末は・・・。

この本の好きなところや、印象的な場面

物語の主軸の夫婦の姿

この物語のメインに描かれている夫婦の姿が好きです。

電話の後の独り言

誰が聞いているわけでもないだろうに、本当に相手がいるようにしゃべっている様子に、クスりとしました。

主人公と義母の関係性は、あまりよくありません。主人公が我慢しているもやもやが、描写からこちらにも伝わってきます。だから、たまに主人公が反撃しているとき(相手には聞こえていないときだけど)の描写は、なんだかすっきりした気持ちになれます。言えてよかったね、そうだよね、と。

衣津実の両親の会話(回想)

両親がしていた会話を聞いてしまった場面。母が「辛い」と相談し、父が「お前は大丈夫」と諭す場面。なんか、やだなーと感じたのです。

印象的な文

P113 そうして並べてみると、まるでなにも考えてないみたいだけれど、熟考して選んでないからといって、全てが間違いになるわけではない。無数に(…中略…)、ほんとうに思うの。

きれいな装丁

この本の装丁が好きです。色合いや、文字の配置が、きれいですてきだなあと思いました。カバーを外しても素敵なデザインです。ベースが真っ黒の中、白い細い線で、水が描かれています。

写真 コムラマイさん

装幀 高橋健二さん(テラエンジン)

この本を読もうとおもったきっかけ

読もうと思ったきっかけは、書籍系のお話をしている梨ちゃんねるさんのyoutubeを見たことでした。

3:30頃から、おはなしされています。芥川賞候補の作品をお話しされている動画です。

梨ちゃんねるさんの動画が面白くて、ほかの動画もたくさんみています。純文学作品や、文学雑誌が親しみやすくなりました。youtubeを通じて、手に取る本が増えたのは、新しい本との出会いの入り口が広がって、楽しいです。

関連リンク

集英社さんのページに、試し読みがあります。

水たまりで息をする | 集英社 文芸ステーション
水たまりで息をする のページです。集英社 文芸ステーションは集英社が刊行する文芸単行本の公式サイトです。新刊の内容紹介、試し読み、インタビュー、書評、エッセイ、関連情報など、作品と著者についてより深く知るためのコンテンツをお届けします。ここでしか読めない小説、エッセイなどの連載も随時更新。

コメント